雪が育てるもの
4年前の冬、用事があって福井に出かけた。
冬に旅行に行くのは久しぶりだったため良い機会だったので「雪」を見に一乗谷まで足を伸ばしてみた。
雪と言えばスキー場思い出すが、普通に生活している場所なのに見渡す限り誰も足を踏み入れていない雪が広がる景色を初めて見ることができて感動した!
そして同じく感動したことがある。
福井駅で一乗谷行きの電車を確認したところ「本数が少ないので乗り遅れに気をつけてください」と駅員さんが声をかけてくれた。
ホテルで次の日の予定を聞かれたので「一乗谷に行きたい」と伝えたら「バスも電車も不便だから送って行きますよ」と声をかけてくれた。
お昼の食事ができるところを案内所で聞くとお蕎麦屋さんを薦めてくれたので、営業しているか確認の電話をしてから行くと、帰り側「わざわざありがとうございました」と女将さんがお土産を手渡してくださった上に玄関まで出て見送ってくださった。
雪がチラチラ舞う中、心もお腹も満たされてフラフラ歩いていると陽が差して、その雪がキラキラと虹色に輝いてハッとした。とまた雲が来て暗くなる。
その一瞬がたまらなかった。
そんな変化を楽しみながら乗り遅れたら大変なことになるバスを待っていると、三脚付一眼レフを抱えた70歳を超えたおじいちゃんからあちらの言葉で「こんな日に何をしにきたのか?」と声をかけられた。小さいながらスーツケースを持った私は旅行者であることがすぐにわかったのだろう。
「雪を見に行きました」と答えると「ヘ〜」と驚き(呆れ)顔で「バスはあるのか?駅まで送ろうか?」と。
「あと5分ほどでバスが来るので大丈夫です。ありがとうございます」と答えたが心配だったのかバスが来るまで一緒に待っていてくれた。
雪景色は素晴らしかったし、出会った人も優しかった。
雪は我慢強さとともに温かい心を育てるのだろうか!?
スタッフC